スペースを考える

起業する時のオフィス・店舗などスペースの準備について

現在、起業する際には、色々なスペースの選び方があると思います。 ひとつずつ、特徴やメリット、デメリットを確認してみましょう。

自宅開業(自宅兼事務所)

起業した後、毎月決まって出て行く固定費はなるべく抑えたいものですよね。固定費の中でも金額が大きい主な出費は家賃です。 自宅兼事務所というのは、自宅の一部をオフィスとして使用する形態です。リビングなどを利用する場合もあるかもしれませんが、管理上、専用デスクや部屋など、事業専用スペースを明確に区切るのが望ましいです。(経理での家事按分、融資の際等にも必要になります) 計画している事業が自宅開業が可能であれば、まずはここからスタートを考えるのはおススメです。

メリット

・最初に記載しましたように、固定費がかからないというのは、大きなメリットですね。 ・水道光熱費の一部も経費とすることができます。(状況によりますが、最大で50%の場合が一般的のようです。) ・通勤の時間が削減できる

デメリット

・オン・オフの区別をつけづらい 時間的にも、空間的にも、作業的にも、プライベート用途と事業用途をわけづらいため、どちらかが途中で遮られたり、完全な休息が取りにくい等、両方に支障がでやすい傾向があります。 ・登記ができない場合がある 事業用に物件を借りる時は、事業利用可の物件かどうかという確認が必ず必要になりますが、自宅開業の場合は、一般住宅で利用しているものを、100%ではなくても事業用に変更することになりますね。 このため、登記自体ができなかったり、登記しない場合でも、不特定多数の人が自宅に出入りするようになるため、セキュリティ、会話やBGM等の騒音等の問題がでてきます。 マンションの場合は管理者への確認と相談が必要になりますし、持ち家の場合でも、近所へのご挨拶は行うほうが、長く安心して経営できるでしょう。 ・融資に不利になる場合がある 例えば日本政策金融公庫からの融資は住宅部分には出ないなど、場合によっては不利になるケースもあります。(住宅部分に融資がでないことそのものは、公庫以外の融資を検討するなど対策方法はあります) ・他人との関わりが少なくなる場合、マンネリ、孤独など、心理・精神的な自己管理も必要 ひとりきりだと、他人に煩わされることもなくなる代わりに、ちょっとした相談や、会話で気晴らしをすることもないので煮詰まりやすく、自分から人に会いに行く習慣作りなどが重要になりそうですね。

バーチャルオフィス

バーチャルオフィスとは、その住所のある物件自体は使わなずに、住所や電話番号、FAX番号だけをレンタルするというサービスです。

メリット

月々数百円から数千円でと、超低価格で、希望の地域にオフィスの登記ができたり、連絡先として記載できるのが最大のメリットと言えるでしょう。

デメリット

・会社の実態がないため、社会的な信用はかなり低く、企業イメージが良いとは言えない場合もある。 ・事業用の金融機関の口座の開設や、融資の時に、審査が通りにくい

コワーキングスペース

複数の利用者が業務用のスペースを家賃の支払いではなく、利用登録・使用契約をして、使用料金を払ってデスク、商談スペースやオフィス備品などを共有して使うサービスです。

メリット

・自宅外に作業スペースを持てるスタイルとしては、料金が安い ・OA機器、商談スペースなど、業務に必要な環境が整っていて、初期投資が抑えられる ・他人との交流が増え、アイディアや人脈を広げることができる

デメリット

・事業用の金融機関の口座の開設や、融資の時に審査が通りにくい場合があります。 ・多数の人で使用するスペースのため、セキュリティへの備えが必要 ・ロッカー利用ができた場合でも、個人(事業用)所有物は限られた分量のみ保管可能

シェアオフィス

1つの賃貸オフィス内のブース(間仕切りがある場合もない場合もあります)を借りる形です。家賃(個室・ブース分)やそれに代わる利用料を支払います。オフィスによって、さまざまなオプションを設けており、またブースはフリー(固定席なし)と固定ブースから選んで利用契約をする場合が多いです。

メリット

・賃貸オフィス、物件賃貸よりは料金が安い、初期投資が安く済む ・OA機器、商談スペース等が揃っているオフィスがほとんどで、初期投資が抑えられる ・他の利用者との交流が生まれ、コミュニティ内でのアイディアや人脈などが広がりやすい

デメリット

・数年単位など、長く利用すると、賃貸オフィス・物件より高くなる場合があります。 ・事業用の金融機関の口座の開設や、融資の時に審査が通りにくい場合があります。 ・多数の人で使用するスペースのため、セキュリティへの備えが必要

レンタルオフィス

1つの賃貸オフィス内の個室を借りる形です。 会議室等の共有スペースがあります。 家賃(個室代)やそれに代わる利用料を支払います。オフィスによって、さまざまなオプションを設けられている場合が多いです。

メリット

・信頼感やセキュリティを一定レベルに保ちながら、賃料や初期投資を抑えることができる ・個室があるため、セキュリティや自由度は賃貸オフィスに近い ・適度な距離感を保ったまま、他の入居者との交流を行うことができる

デメリット

・オプションによっては、賃貸オフィスより割高になる場合もあります。また数年単位の利用の場合、やはり割高になる傾向があります。 ・レンタルオフィス運営企業が廃業してしまう場合もあります。

賃貸オフィス・貸事務所・貸店舗

物件をまるごと占有して賃貸する形です。マンションの一室のようなこじんまりしたスペースから、大きなフロア、建物ごとの賃貸など、規模はさまざまです。

メリット

・自社オフィスのため、他に比べて高い信頼感がある ・内装なども自由に変更することが可能

デメリット

・入居時の礼金、保証金(3ヶ月から24ヶ月分など物件によって幅がありますが、居住用物件より多いことがほとんど)、仲介手数料、オフィス設備の導入費、賃料など、かなりの費用と手間がかかる。 ・移転の際も手間や費用がかなりかかる

起業する時のオフィス・店舗などスペースの準備についてのまとめ

いかがでしょうか?方法によってはスタートアップの資金を抑える工夫も可能だと思います。場所・スペースにかかるお金は固定費となり毎月必ず出て行く支出になるので、なるべく抑えたいですが、売り上げにも影響の大きい大切な要素なのでよく検討したいですね。