経理の方法

経理の方法

経理の方法と処理の環境、担当者を決める

日々、月々、年度ごとの資金計画と経理について考えてみましょう。 経理も、今後のお金の流れの予測と、これまでの実際の流れの記録、とふたつの目的のために必要になります。 またその計画と実際の差をいつどう埋めていくのか、振り返りと今後の計画の具体的な資料にもなりますよね。

事業計画や特にその中の資金計画でも、日ごと、月ごと、年ごとに計画を分けることが多いと思いますが、経理でも同じように、日ごと、月ごと、年ごとの処理があります。
この経理の処理をどの方法で、何を使って、誰がやるか、を決めることが必要になります。
順番に見ていきましょう。

経理の方法を決める

まず、経理のやり方は年度ごとの納税額を決定する確定申告で、どの申告をするかによって方法が決まってきます。 確定申告は大きく2種類あって、青色申告(65万円控除/10万円控除どちらを選ぶかでまた2つに分かれます)、白色申告があります。 平成26年(2014年1月から)は、白色申告でも記帳が義務化されたため、ほとんど青色申告(10万円控除)の場合と手間が変わらなくなってしまいました。そのため、今は基礎控除にプラスして青色申告特別控除があったり、赤字を3年まで繰り越せる青色申告を選ぶほうがメリットが大きいでしょう。

何を使って経理をするか、環境を決める

申告の方法が決まったら、日々の処理に何を使うかも決めましょう。考えられるやり方はいくつかあります。 (1) 電卓を使用した手書きによる記帳 (2) エクセル等表計算ソフトを使って記帳(申告は手書きか国税庁のWEBサイトを使用) (3) 会計用ソフトを使用 (4) 全て税理士に頼む

まず(1)の手書きの記帳は、これから経理を始める人の場合はほぼおすすめできませんので、詳しくは触れません。
ご自身が簿記の資格を持つなど経理の実務を知っているか、または、月ごとの処理が非常に少なく、正確で細かい計算や記帳が得意であれば、(2)のエクセル等の表計算ソフトを使った経理もひとつの手段ではあります。

一番のおすすめはやはり(3)の会計ソフトの使用です。日ごと、月ごとの処理や必要な帳票の自動作成、確定申告書類までカンタンに作成できます。手軽さのほかに大きなメリットとして、年々変わる税法にもソフト側が対応しますので、ソフトを使用していれば変更点を正確に知り経理方法を対応させるなどの余計な時間をとられずにすむ点もありがたいですね。

会計ソフトを選ぶ

会計ソフトは、大きく分けて2種類あります。 ・ダウンロード式 ・クラウド式

ダウンロード式

DVDやインターネットを使って、使用する年度に対応したソフトを購入して使う方法です。ソフトのプログラム自体を自分のPC内にインストールして使います。データも手元に保存すれば、一度インストールしてしまえばネットがなくても使えます。ただ、最低限プログラム修正があった場合や、次の年度に対応した新しいソフトにバージョンアップする場合は、ネットにつなげる必要が出てくるでしょう。 注意点は、自身でデータのバックアップをしっかりとっておくこと、対応した年度のものを使用することです。日々の収入と使用した経費の状況の「記帳」とその書類と一緒に取引の際にやりとりした書類も含めた「保存」が義務づけられています。バックアップがなければ、PCが突然故障した場合、データが復元できなければ経理データも全て失うことになってしまいます。 料金は1バージョンごとに買いきりです。

クラウド式

会計ソフトのプログラム自体を自分のPCに入れず、常にクラウド上のシステムをインターネットを通して使うため、ネットとPCがあれば使えます。プログラムの更新も自動で行われ、継続契約していれば次の年度の変更点も自動で引き継ぎますので大変便利です。 デメリットは、ダウンロード式よりも反応速度が遅い点でしょう。自分のPCを高性能にしてもネット環境によって反応スピードが落ちたりしますが、総合的に見てもメリットが大きいように思います。 注意点は、セキュリティがしっかりしており、バックアップを確実に取ってくれているところを選ぶことだと思います。 料金は、仕分けがごくごく少なければ無料、有料でも月づき数百円から、年払い対応で1万弱程度と大変手軽に導入することができるものがあります。

(4)については次の「誰が行うか決める」の項で触れたいと思います

誰が経理をするか

経理のやり方と、経理に何を使うかが決まったら、誰がやるかも考える必要があります。 個人事業主の場合は、日々の処理は、多少調べる手間と時間を惜しまなければ自分でできる場合も多いでしょう。または経理が得意なスタッフに任せるのでも良いと思います。

次に、前出の「何を使って経理をするか」にも関係してきますが、一番手軽で正確なのは、税理士と契約し、頼んでしまうことです。
日々の仕分けは自分やスタッフが行い、確定申告だけ税理士に頼む方法もあります。(そういう契約に対応している税理士に頼みます)
仕分けが大量にあるなら、スタッフや外注、または日々の仕分けの記帳代行から税理士に頼んでしまうのが良いでしょう。

税理士に頼むメリットは、経理に関する手間や時間を自分で取らずにすむようになること、そしてなんと言っても正確なこと、また節税にも詳しいことですよね。間違った仕分けで後日追徴課税を受けるようなリスクも抑えられますし、経営の面でも相談できます。またいよいよ税務調査が入ったようなときも頼りになりますね。

経理の方法のまとめ


経理は、個人事業を続けていく上で、最も重要なお金の動きを記録し、経営の計画や見直しにも欠かせないものですが、煩雑でもありかつ正確さが必要となる作業ですよね。少しでも作業負担を減らし、確実に処理してゆける方法を選んでゆきたいですね。実際の経理作業については、「開業後」カテゴリーの「経理で必要な作業」も併せてご覧ください。